こちらのページでは、コレクション向けミニカーの主な材質として使用されている「ダイキャスト」と「レジン」の違いや特性についてご紹介しています。
・ダイキャスト製ミニカーの特徴
ダイキャスト製ミニカーは金属製のボディを持つことが特徴です。一般的には亜鉛合金(亜鉛ダイキャスト)が使用され、ボディやシャーシが一体(少ないパーツ数で構成)となっています。
製造プロセスでは、金属を溶かし、高圧下でミニカーの形状に型に注入します。この方法により、ダイキャスト製ミニカーは耐久性があり、重厚感やリアルな質感が得られます。また、金属の特性を生かして、細部の彫刻やディテールを再現することも可能です。
ダイキャスト製ミニカーは一般的に市販されており、幅広い車種やブランドが存在します。マテル社のホットウィールシリーズやトミカ、
MINI GTなどの低価格帯から、ドイツのミニカーメーカーの
ミニチャンプスなどの高価格帯まで、価格帯も比較的幅広く、比較的生産される台数も多いため入手しやすいです。
以前は1/43スケールと1/18スケールが主流でしたが、近年は1/43が減少し1/64スケールがメインとなっており、10年ほど前までは当たり前にあった1/18スケールでのドアなどのフル開閉ギミック採用モデルについても、最近の製造価格の高騰から、価格を抑えるためにギミックを搭載しない非開閉モデルも増えつつあります。
・レジン製ミニカーの特徴
一方、レジン製ミニカーは、ポリウレタン樹脂やエポキシ樹脂などの合成樹脂を使用して作られます。レジン製ミニカーの特徴は、軽量かつ繊細なディテールを再現できることです。製造プロセスでは、液状のレジンを型に注入し、硬化させます。この方法により、ダイキャスト製よりも複雑な形状や曲線を表現できます。また、レジンは柔軟性があり、細かいパーツや内部の細部を再現することが可能です。
レジン製ミニカーは、より独特なモデルや限定品、カスタムモデルなどに使用されることが多く、コレクター向けの製品として人気があります。価格は一般的にダイキャスト製よりも高価で生産台数も限られ、レジン素材の特性上、寒暖差や湿度変化に弱いなどダイキャストに比べて取り扱いが難しいため、その辺りも理解した上級者向けのインテリアに近いモデルとも言えます。
レジン製モデルをリリースしている代表的なミニカーメーカーはフェラーリやランボルギーニなどの高級志向のラインアップで知られる「
BBR Models」や「MR Collection」、リバティーウォークなどのカスタムモデルや旧車ラインアップで知られる「
Ignition Model」などがあり、傾向としてはダイキャスト製のミニカーとして発売されていない車種が多いのが特徴です。
基本的にレジン製モデルは素材の繊細さもあり、どのサイズであっても開閉するギミックは付いておらず、展示して楽しむ用途のものがほとんどとなっています。
・パーツごとに素材を変えて強度や完成度を意識したミニカーも。
近年のモデルでは、完全なダイキャストまたはレジンのみで構成されたミニカーだけでなく、ダイキャスト製であってもミラーなどの細かなパーツにゴム製部品やプラスチックを使用しているものや、AUTOart製のミニカーのようなダイキャストとABS樹脂を各部ごとに組み合わせたコンポジットタイプのものもあり、メーカーの方向性によって強度や再現性を重視した素材構成となっていることもあります。
以上が、ダイキャスト製ミニカーとレジン製ミニカーの主な違いです。それぞれの素材と製造方法によって異なる特徴を持ち、好みや用途に合わせて選ぶことができます。